2012/05/22現在

第十八弾 年商10億達成。WEB戦略がもたらした集客倍増の軌跡を追う
今回は、交通広告業界で成長を続ける、株式会社サンエイ企画 代表取締役社長の山本高士様をお伺いした。同社は全国の電車やバスの車内広告の印刷から掲載にとどまらず、大判印刷や広告のデザイン制作や印刷、特殊加工を社内一貫で行っている。創業から約30年の2007年、ついに年商10億を達成する。その成功と施策はいかなるものだったのだろうか。
大判印刷→Yahoo1位、Google5位
大判出力→Yahoo2位と5位、Google9位
交通広告→Yahoo7位、Google1位
徹底した検索エンジン対策によって、上記のように目標とする3キーワードでの上位表示を実現し、受注案件も年々増加。この成功の秘訣には、サテライトサイトの導入があったからだと山本氏は話す。
「お客様からの注文を増やし、スムーズな取引をするためには、『検索エンジン上位表示』と『ページ内容の充実化』を両立させる必要がありました。しかし、1つのホームページで自社商品を宣伝するだけでは限界があると感じていました。そこで、サテライトサイトという概念を導入したのです」
サテライトサイトとは、自社商品やサービスに関わる情報提供サイトやコミュニティサイトなど、自社の見込み客にとって有効と見なされるような内容で構成される、本サイトとは別に立ち上げられたサイトのことである。これらすべてにSEO対策を施すことで、自社サイトだけでは捉えきれない見込み客のアクセスを獲得する効果があることがその魅力である。
「当社の商品(交通広告・大判出力)を分け、それぞれの商品紹介に特化したサイトを立ち上げました。各ページでから相互リンクを貼り、検索エンジンの評価が高くなるように設計しました。各サイトを立ち上げるときには、しっかりとしたこだわりを持ち、更新作業にもマメにすることが大切だと考えています。ネクスゲートのマッチングサイトや他社ポータルサイトに掲載したのも、サテライトサイト導入の一環です」
登録キーワードの作成にも、上位表示を狙ったこだわりと工夫が施されている。
「(交通広告、大判出力、大判印刷、OOH等々の商品名)×(都内、新宿、東京等の地名)上げたいキーワード(一般名詞)に日本語の接続詞をつけた文章をつくり、『大判出力とは 大判出力の特徴 大判出力の比較 大判出力の価格』というように登録しています。これは、商品購入の際に一般名詞+地名で検索する人が多いような気がするからです。説明するためのキレイな文章構造になるように心掛けて設定しています」
マッチングサイトやWEB戦略で、目に見える効果はあったのだろうか。
「当社では、ネクスゲート以外にも何社かのマッチングサイトに登録しています。登録したことによって、新規顧客開拓のための無駄なテレアポが減り、単位時間当たりの生産性が向上しました。発注する立場から考えると、価格やサービスに対し取引先との緊張感が生まれたという変化がありました。長い付き合いのある企業間にありがちな、慣れ合いで価格が上がったことに気づかないことや、仕事が雑になってしまうといった危険が減りましたね」
広告デザイン企画シート
検索エンジンで上位表示され、まちがいなく見込顧客にリーチできるようなサイト構成であれば、問合せや受注は増える。しかし、この増えた案件に対応できるかどうかも、企業としての力が問われるところ。山本氏は一枚のシートを見せてくれた。
「検索エンジン上位表示によって増える電話での問い合わせに、営業担当は『広告デザイン企画シート』を用意し、ヒアリングに臨んでいます。最小限の項目をヒアリングしてシートに記入しまとめて提出するものです。これによって、ヒアリングが徹底され、クライアントに提出する仕事の質も上がりました。たとえ過去に経験のない地道な調査でも引き受け、ノウハウとして蓄積することが大事だと考えています」
「当社のHPを見たお客様からお問い合わせをいただいたときのことです。ホテルの一室に呼び出され『学生に訴求するための何かおもしろい広告はできないか』といわれ、当社営業がラッピングバスを紹介しました。お客様にとっては、新しいメディアだったということもあり、全国の大学を経由するバスにクライアントの広告を掲載する企画で、1億円以上の案件になりました。効果測定や事前調査も含めてトータルでお仕事をいただきました」
大切なのは、ページビューを増やすことだけではない、営業力・提案力だという。
「原始的ですがお客様から問い合わせがきたら、電話をかけ『とりあえず会わせてください。時間を5分ください』といったように、お客様とじかに面談する機会をもつ、または持てるように努力しています」
デザイン力・ヒアリング力をさらに強化し、いい個性や感性を全国に届けたい、と山本氏は語った。
SEO対策等のビジネスチャンス拡大のためのプロモーション強化に真摯に取り組むことと、その増えた案件や顧客にも対応しうるビジネススキームを確立するべく知恵を絞ること。この両輪をうまく廻してこそ、企業の成長が実現するのだろう。